株の自動売買にVPSは必要?注文機能との違い
最終更新日:2026年10月28日 ※このページには広告が含まれます。

逆指値で条件を決めて注文するのも、自分で作ったプログラムに株を売買させるのも、「自動売買」と呼ばれます。
ただし、注文を動かす場所は同じではありません。株の自動売買にVPSは必須ではなく、証券会社の注文機能で足りるか、PCで処理を続ける必要があるかによって判断が変わります。
VPSは、インターネット経由で借りて使う仮想のコンピューター環境です。
「仕事中も自宅のPCをつけておくの?」という疑問は、サーバーの料金より先に、使いたい注文やツールを確認すると整理できます。
■このページの内容
株の自動売買にVPSは必須?注文機能だけで足りる場合
証券会社が条件を管理する注文なら、PCの電源を切れる
あらかじめ決めた価格などを条件に注文する機能には、証券会社側のサーバーで条件を管理するものがあります。この場合、条件を見張り続けるのは自分のPCではありません。
例えば、楽天証券のマーケットスピード IIにあるアルゴ注文は、条件を証券会社側で管理する仕組みです。アルゴ注文の条件を登録した後は、ツールからログアウトしたり、PCの電源を切ったりしても、条件に応じて注文が執行されると説明されています。(※1)
この用途のために、別途VPSを借りてPCの代わりに動かし続ける必要はありません。
ただし、注文には有効期限や失効する条件があります。また、すべての証券会社の注文が同じ仕組みとは限りません。使う注文について、「条件をどこで管理するか」「PCを閉じても有効か」を確認しましょう。
価格を条件にした注文で、目的は足りる?
「株価が決めた水準になったら注文したい」という目的なら、まず証券会社の注文機能でできることを調べるのが近道です。
逆指値や、価格の変化に合わせて条件を調整する注文など、用意された機能で目的がかなう場合があります。基本は逆指値注文で自動売買、条件の調整はトレーリングストップの解説も参考になります。
一方、「自分で計算した結果によって売買を変える」といった処理を、手元のプログラムで行いたい場合は話が変わります。
| やりたいこと | 主に確認する場所 | VPSを考える前に |
|---|---|---|
| 証券会社の注文機能で、決めた条件の注文を出す | 証券会社の注文仕様 | PC電源OFF後も有効か、有効期限や失効条件は何か |
| 自分のプログラムで条件を計算し、APIから発注する | プログラムと証券会社の対応環境 | どのPC・OSで、いつ処理を続ける必要があるか |
| 楽天RSSとMicrosoft Excelで情報取得・発注する | MS II・Excel・作成したシート | 対応OS、必要ソフト、ログイン、ライセンス |
どれも自動化に関わりますが、必要な準備は異なります。注文機能だけで足りるなら、その使い方を覚えるところからで十分です。
株の自動売買でVPSを検討するのは、PCで処理を続けるとき
APIや楽天RSSは、動かすアプリも確認する
APIは、プログラムからサービスの機能を利用するための窓口です。例えばkabuステーションAPIは、自分でプログラムを作り、取引に利用する仕組みを提供しています。(※2)
この場合は、作ったプログラムだけでなく、接続先のkabuステーションを動かす環境も必要です。「証券会社が注文の条件をすべて管理してくれる仕組み」とは分けて考えます。
楽天証券のマーケットスピード II RSS(以下、楽天RSS)は、Microsoft Excelで利用する仕組みです。マーケットスピード IIとExcelを組み合わせて情報を取得したり、発注したりします。Excelファイルをサーバーへ保存するだけで、処理が進むわけではありません。(※3)
自分が作りたい処理について、「何のアプリを起動し、どこへログインし、いつまで動かすか」を書き出すと、必要な環境が見えてきます。
VPSは、自宅PCとは別の場所に借りる実行環境
Windowsの画面を遠隔操作できるVPSのプランもあり、自宅PC以外の場所でアプリを動かす選択肢になります。
自宅のPCを止めても、借りた環境が別に稼働していれば、処理を続けられる仕組みを組む余地があります。ただし、使うアプリがその環境に対応していることが前提です。
VPSを契約すると売買ルールが付いてくるわけではなく、必要なアプリやプログラムの設定、日々の確認も残ります。例えばABLENETはWindowsプランを提供する一方、個別の環境構築やアプリ等の問題は利用者側で解決する範囲と説明しています。(※4)

FX向けの説明を、株へそのまま当てはめない
VPSの紹介では、FXのMT4・MT5でEAという自動売買プログラムを動かす用途がよく取り上げられます。ABLENETのWindowsプランも、MT4・MT5などの用途を案内しています。
しかし、その説明は国内株のAPIや楽天RSSが公式に対応しているという意味ではありません。
動かすソフトが変われば、対応OSや必要なメモリー、ログインの方法も変わります。FX用に紹介されたプランの名前から決めるより、株で使うツールの条件を先に確認しましょう。
VPSはWindowsと再ログインを先に確認
Windows 11とWindows Serverは、同じ対応環境ではない
VPS選びで見落としやすいのが、Windowsの種類です。普段使うPCのWindows 11と、WindowsプランのVPSに搭載されるWindows Serverを、同じものとして扱うことはできません。
2026年10月27日の確認では、kabuステーションの動作環境と、楽天RSSの必要環境に掲載されているOSはWindows 11です。楽天RSSでは、対応するMicrosoft Excelの種類も指定されています。(※5・※6)
したがって、「WindowsのVPSだから楽天RSSも使える」とは判断できません。Windows Serverや仮想環境での利用が対応・サポートの範囲に入るか、ツール提供元へ確認が必要です。Excelのライセンスも別に確認します。

毎日のログアウトや、再起動後のログインは残る
kabuステーションAPIの公式コミュニティには、クラウド上のWindows環境についての回答があります。環境・ネットワーク・ライセンス等の準備や管理は利用者側の責任としたうえで、毎日の自動ログアウト後やWindows再起動後には、kabuステーションへのログイン操作を行うよう説明しています。
また、同じ回答では、APIに自動起動・再接続の機能はないと説明されています。(※7)
これは個別の質問への回答であり、どのVPSでも動作を保証する説明ではありません。VPSを借りても、毎日の認証が不要になるわけではないと押さえておきましょう。
遠隔接続を切る操作と、サインアウトは別
もう一つ分けたいのが、手元からVPSへの接続を切ることと、VPS上のWindowsからサインアウトすることです。
Microsoftは、リモートデスクトップのセッションを切断しても、そのセッション内のアプリは実行を続けると説明しています。ただし、切断後の扱いは利用環境の設定やアプリの条件も確認する必要があります。
「画面を閉じる」「Windowsをサインアウトする」「Windowsを再起動する」「取引ツールからログアウトする」は、同じ操作ではありません。使う予定の環境で、それぞれの後にアプリがどうなるか、再ログインが必要かを分けて確かめます。
接続画面を閉じても処理が続くことと、翌日も認証なしで取引できることは別の話です。
VPSの基本料以外に何がかかる?
遠隔操作には、RDS料金が必要な場合がある
WindowsのVPSは、表示された基本料だけで利用費が決まるとは限りません。
例えばABLENETでは、遠隔接続してFX等のアプリを利用する場合、RDSというライセンスが必要です。専らサーバー管理だけをする場合とは区別され、月額は1ユーザー1,320円(税込)と案内されています。(※8)
RDSは、リモートデスクトップでアプリを利用するために確認する項目です。RDSの料金を払えば、Microsoft Excelの利用権も一緒に得られるという意味ではありません。Officeが必要な場合は、その料金とサーバー上での利用条件も別に確認します。
初回と更新後、月払いと年払いをそろえる
料金を比較するときは、次の項目を同じ条件にそろえると判断しやすくなります。
- 利用するOSの基本料金
- リモート接続やOfficeなど、必要なライセンス・オプション
- 初回に適用される価格と、更新後の価格
- 月払いの請求額か、年払いを月に割った表示か
- 途中でやめる場合の締切や、前払い分の返金条件
ABLENETの料金表にも、契約時特別価格と更新後価格、月払いと年払いが分けて掲載されています。安く見える数字を一つ拾うより、使い続ける場合と、合わずにやめる場合の両方を確認しましょう。(※9)

VPSを選ぶ前に、自分の用途を確認しよう
注文機能で足りる人は、VPSの契約から始めなくてよい
決めた価格を条件に注文したいなら、まず利用中の証券会社の注文機能を確かめてみてください。
その注文が証券会社側で管理され、PCを閉じた後も有効なら、VPSを借りずに目的をかなえられる可能性があります。有効期限や失効条件まで確認できれば、何を自分で見ておく必要があるかも分かります。
PCで処理する人は、使うツールの条件を先に決める
自分でプログラムやExcelの処理を動かす場合は、候補サービスを比べる前に、次の五つを埋めておきましょう。
| 確認すること | 書き出す内容 |
|---|---|
| 何を動かす? | ツール名、プログラム、必要なExcelなど |
| どの環境で使える? | OSの種類と版、仮想環境・遠隔操作の対応 |
| いつ確認する? | 毎日のログイン、再起動後、切断後の動作 |
| いくらかかる? | 必要ライセンスを含めた更新後の費用 |
| 止まったらどうする? | 自分で確認する範囲と、各社の問い合わせ先 |
対応がはっきりしない場合は、「使うツール名」「検討しているOS」「仮想環境からの遠隔利用」をまとめて、ツール提供元とVPS提供元へ伝えると確認しやすくなります。
AIを使ってコードを作ったり、運用中にAIを呼んだりする場合は、AIを使う仕組みとサーバー選びで、必要な実行環境の違いを確認できます。
WindowsのFX用環境も検討している場合は、ABLENET VPSの料金と注意点に、RDS込み費用や試用・解約の確認点をまとめています。国内株ツールの対応が確認済みという意味ではないので、用途を分けて参考にしてください。
株の自動売買で最初に決めるのは、借りるサーバーの名前より、どの方法で何を自動化したいかです。その答えに必要な環境を合わせていけば、不要な契約や対応OSの取り違えを避けて選べます。
出典
確認日:2026年10月27日。料金・対応環境・サービス条件は変更されることがあります。契約や利用の前に各公式ページの現行案内を確認してください。
- ※1 楽天証券のアルゴ注文
- ※2 kabuステーションAPI
- ※3 楽天RSSの仕組み
- ※4 ABLENETのサポート範囲
- ※5 kabuステーション動作環境
- ※6 楽天RSSの必要環境
- ※7 クラウド利用・再ログインの公式回答
- ※8 ABLENETのWindows・RDS条件
- ※9 ABLENETの料金
※掲載画像は記事の説明用に生成したものです。実際のサービス画面や利用実績を示すものではありません。
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