野球をやっていれば、肩や肘の痛みについて、一度は悩まされたことがあるのではないでしょうか。
特に身体が完成していない小学生から中学生は正しい投球フォームも定まっておらず、肩や肘に負担が集中するのです。
本記事では、そんな野球肩や野球肘に悩む野球少年へ向けて、ケガのメカニズムや予防法、自宅でできるケアの方法を紹介します。
本記事を読めば、適切なケア方法を理解できるので、ケガ予防に役立ちますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
野球肩・野球肘とは?ケガの原因と症状

野球肩・野球肘は、名前のとおり、野球をしている人に起こりやすい肩や肘の障害です。
ボールを投げた際に肩関節、肘関節周辺の筋肉に負担がかかることで炎症が起き、痛みが生じます。
初期症状では投球時に肩や肘の痛みやだるさを感じることが多いです。
ですが、毎日練習をしていると炎症を起こしているのか、筋肉が張っているのかを判断するのは困難です。
野球肩や野球肘は、ボールを投げる回数が多いピッチャーに多いのが特徴ですが、ハードな練習を毎日行なっている中学生、高校生の野手でも野球肩や野球肘に悩まされている人は多いです。
知らないまま無理をしてしまい、早期に引退を余儀なくされるケースも多々あるので、違和感を感じたらしっかり休むようにしてください。
野球肩・野球肘を防ぐための基本的な対策

野球肩・野球肘の予防には、日々のケアやトレーニング、正しい休養が必要です。
以下のポイントを意識して取り組むことで、ケガのリスクを軽減できるのでチェックしてください。
投球フォームの見直し(肩や肘に負担のかからない投げ方)
まずは、正しい投球フォームを身につけましょう。
肩や肘にかかる負担を軽減するために正しいフォーム、体全体を使ったフォームの習得はマストです。
フォームが安定していないと、肩や肘で無理に力を出そうとして負担がかかってしまうので注意しましょう。
特に、投手の場合は投球時の踏み出し幅を意識してください。
踏み出し幅をしっかりと決めて、下半身を使って投球しましょう。
野手の場合は、足を使って送球することを意識してください。
打球を捕球する前に、送球を意識して打球に入ることで、送球の負担を軽減できます。
「足を使って投げる」ことを意識してノックを受けてみましょう。
足を上手に使って、距離を詰めたり、勢いをつけたりすれば、軽い出力で強い送球ができるようになりますよ。
筋力トレーニング
肩や背中、腕の筋肉のバランスをよく鍛えることも重要です。
肩の「インナーマッスル」や肩甲骨周りの筋肉をしっかりと鍛えることで、肩関節の安定性や可動域が高まり、ケガのリスクを軽減できます。
インナーマッスルを鍛える際は、軽い負荷でゆっくりと行うのがポイントです。
ストレッチとウォームアップ
肩や肘周りの柔軟性を高めるストレッチも、野球肩・野球肘の予防に効果的です。
練習前には肩甲骨や腕の筋肉をしっかりとほぐしましょう。
チームによっては、全体ウォーミングアップとは別に、キャッチボール前に独自のストレッチや低負荷のトレーニングを導入しているところもあります。
MLBで長年活躍したイチロー選手は専用のトレーニング機器を使用して肩甲骨周りを入念にほぐしていました。
ケガを防止するには柔軟性と強さを兼ね備えた身体が必要です。
自宅でできる野球肩・野球肘予防エクササイズ

自宅で簡単にできるエクササイズやトレーニングを紹介します。
簡単なトレーニングなので、日々の習慣にし、ケガ予防に役立ててください。
インナーマッスル強化(チューブエクササイズ)
チューブを使ったエクササイズで、インナーマッスルを鍛えます。
チューブをドアなどに固定する方法や、足で踏みながら行う方法など、メニューは豊富です。
内旋運動、外旋運動を中心に行い、インナーマッスルを鍛えてください。
チューブエクササイズはすぐに効果が出るものではないので根気強く続けましょう。
また、チューブを購入すれば、股関節周りのトレーニングにも使えるのでおすすめです。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨の動きを良くする「肩甲骨スクイーズ」も効果的です。
両手を前で組み、ゆっくりと肩甲骨を揃えるように肩を後ろに引きます。
10秒キープを5回繰り返し、肩甲骨周りの柔軟性を向上させましょう。
プロも実践する野球肩・野球肘のケア方法

プロの選手は自分の商売道具である肩や肘のメンテナンスに力を入れています。
プロ選手が行なっているケア方法は、一般のプレーヤーにも参考になるでしょう。
肩と肘のアイシング
練習や試合後に肩や肘を冷やす「アイシング」は、炎症や痛みの予防に有効です。
専用のアイシング用具を使って、肩や肘の周りを15〜20分冷やすだけで、ケガのリスクが下がります。
しかし、公立の中学校などでは、下校時刻の定めがあり、ケアに時間を割けないのが実情です。
ですので、帰宅してからでもいいので、セルフケアを実施してください。
ケガ予防はもちろんですが、翌日のパフォーマンスにも大きく影響しますので必ず実施しましょう。
ビデオ分析によるフォームチェック
フォームの見直しにはビデオ撮影を活用しましょう。
自分の投球動作や送球動作を客観的に確認し、肩や肘に負担のかかりにくい動きやフォームに修正してください。
映像で見てみると、自分のイメージと実際の動きが異なっている場合があるので、実際の動きを理想の動きに近づけられるように研究してみましょう。
投球数の管理と休養
野球肩や野球肘を予防するために、投球数をしっかりと管理しましょう。
特に中学生以下の選手には「1日70球以内、週300球以内」といった制限が推奨されています。
1週間に 1日は「休養日」を設け、肩や肘をしっかりとケアすることが大切です。
指導者や親御さんと投球数やスケジュール管理をしっかりと行い、体に無理のない環境を整えましょう。
まとめ

野球肩・野球肘は、日常予防やケアを取り入れることでリスクを大幅に軽減することが可能です。
ストレッチや投球数の管理など、どれも毎日の練習や生活の中で無理なく実践できる対策なので、今のうちから習慣づけてしまいましょう。
これらの対策は、単純にケガを防止するだけではなく、選手としての基礎を築くことにもつながります。
ケガで野球から引退するのは悲しいですし、後悔が残ります。
後悔しないように、日々のトレーニングやケアを充実させて、野球を楽しんでくださいね。